「なんだか懐かしいのに、どこか新しい」。
そんな不思議な魅力を持つバンド、GOOD BYE APRIL(グッバイエイプリル)をご存知ですか?
2023年に林哲司プロデュースでメジャーデビューを果たし、音楽業界で今注目を集めているこのバンド。
実は2011年から活動を続けてきた実力派です。
シティポップブームが去った今、彼らが奏でる「ネオ・ニューミュージック」が、20代から50代まで幅広い世代の心を掴んでいます。
この記事では、GOOD BYE APRILのメンバー構成から音楽スタイル、そして初心者におすすめの楽曲まで、このバンドの魅力を余すことなくお伝えします。
「最近の音楽はどれも似ている」と感じている方こそ、ぜひ最後までお読みください。
GOOD BYE APRILとは?バンド名に込められた意味
GOOD BYE APRILは2011年に東京で結成された4人組のバンドです。
バンド名は、メンバーや当時のスタッフが好きな単語を持ち寄った中から「GOOD BYE」と「APRIL」を組み合わせたもの。
そこには「それぞれの第2歩」「別れと出会い」という深い意味が込められています。
結成から12年以上が経過した2023年4月、林哲司(代表曲:「真夜中のドア」など)がプロデュースした楽曲「BRAND NEW MEMORY」で日本クラウンのPANAMレーベルからメジャーデビューを果たしました。
実はそれ以前の2014年にもメジャーデビューが決まっていたのですが、レコード会社の買収により白紙に。
その後もインディーズとして地道に活動を続け、満を持してのメジャーデビューとなりました。
彼らの音楽スタイルは「ネオ・ニューミュージック」と称されています。
チューリップ、大瀧詠一、小田和正といった1970年代〜80年代のニューミュージックを基盤に、洋邦のAOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)サウンドをクロスオーバーさせた独自のスタイル。
単なるレトロブームの模倣ではなく、現代の感性で再構築された「本物のAOR」として、音楽通からの評価も高いバンドです。
GOOD BYE APRILメンバー紹介|4人の個性が織りなすハーモニー
◆倉品翔(くらしな しょう) 担当:ボーカル・ギター・キーボード
長野県出身の倉品翔は、GOOD BYE APRILの顔とも言えるボーカリストです。
「ワン&オンリー」と評される彼の歌声は、切なさと爽やかさを併せ持ち、聴く人の心に郷愁を呼び起こします。
バンド結成のきっかけは、2010年10月頃に所属していたバンドが解散したこと。
音楽プロデューサーの加茂啓太郎に相談したところ、同じくバンド解散を経験したばかりの延本文音を紹介され、GOOD BYE APRILの物語が始まりました。
ボーカルだけでなく、ギター、キーボードもこなすマルチプレイヤーで、作詞・作曲も手掛けます。
ビートルズの「エリナー・リグビー」をイメージした楽曲制作エピソードからも、彼の音楽への深い造詣が伺えます。
声質は澄んでいながらも温かみがあり、時にはあえて掠れさせた歌唱で楽曲に深みを与えています。
◆吉田卓史(よしだ たかし) 担当:ギター
大阪府出身のギタリスト、吉田卓史は2011年6月にバンドに加入しました。
倉品さん、延本さん、つのけんさんの3人でスタートしたバンドに、半年ほど経ってから参加した形です。
彼のギタープレイは、80年代のAORサウンドを現代に蘇らせる重要な要素。
派手すぎず、かといって地味でもない、絶妙なバランス感覚で楽曲を彩ります。
バンドのサウンドに厚みと深みを与える、縁の下の力持ち的存在です。
◆延本文音(えんもと あやね) 担当:ベース
大阪府出身の延本文音さんは、倉品翔さんと並ぶGOOD BYE APRILの作詞担当者です。
彼女の書く歌詞は「絵画的な描写」と評され、温度や空気感まで伝わる繊細な表現が特徴。
安易な希望に落とし込まず、ある種の諦念を含ませるドライな視線は延本ならではのスタイルです。
ベーシストとしても確かな技術を持ち、楽曲の土台を支えながら、作詞家としてバンドの世界観構築に大きく貢献しています。
倉品さんと延本さんのそれぞれ異なる個性を持った歌詞が、GOOD BYE APRILの楽曲に多様性をもたらしています。
◆つのけん 担当:ドラム
神奈川県出身のドラマー、つのけんは、バンド結成当初からのメンバーです。セッションを通じて倉品さん、延本さんと出会い、3人でバンド活動をスタートさせました。
彼のドラムプレイは、派手なテクニックで目立つタイプではありませんが、楽曲のグルーヴを確実に支える安定感が魅力。
ネオ・ニューミュージックというスタイルに合わせた、洗練されたビート感覚を持っています。
バンドの音楽性を理解し、楽曲ごとに最適なリズムを提供する職人的ドラマーです。
GOOD BYE APRILの音楽スタイル|「ネオ・ニューミュージック」とは何か?
GOOD BYE APRILを語る上で欠かせないのが、彼らの音楽スタイル「ネオ・ニューミュージック」です。
しかし、これは一体どういう音楽なのでしょうか?
まず「ニューミュージック」とは、1970年代〜80年代に日本で流行した音楽ジャンル。
従来の歌謡曲とは一線を画し、洋楽の影響を受けた洗練されたサウンドと、自作自演のスタイルが特徴でした。
チューリップ、大瀧詠一、小田和正、松任谷由実などがその代表格です。
GOOD BYE APRILは、このニューミュージックの精神を受け継ぎながらも、現代的な感覚で再構築。
単なる懐古趣味ではなく、「新しいスタンダード」を目指しています。
彼らの音楽は「流行りのシティポップの遥か先を行く本物のAOR」と評されており、表面的なレトロブームとは一線を画しています。
具体的には、洋邦の80年代サウンドをクロスオーバーさせた楽曲構成、情景や郷愁を感じさせるメロディライン、そして時代や世代を超えて響く普遍的な歌詞が特徴。
例えば、1stアルバムのオープニング曲「水色の夏」は、ギター・ベース・ドラムを使わず、ストリングスとピアノと歌だけで構成された大胆なバラード。
こうした音楽的な挑戦も、彼らのスタイルの一部です。
また、2024年には土岐麻子とのコラボ曲「ふたりのBGM」、ヒグチアイとのコラボ曲「ニュアンスで伝えて」をリリース。
様々なアーティストとの共演を通じて、音楽性の幅を広げ続けています。
GOOD BYE APRIL初心者におすすめの曲5選
ここでは、GOOD BYE APRILを初めて聴く方におすすめの楽曲を5曲ご紹介します。
1. 『BRAND NEW MEMORY』
2023年のメジャーデビュー曲。
伝説的プロデューサー林哲司が手掛けた、まさにGOOD BYE APRILの魅力が凝縮された1曲です。80年代の空気感と現代のサウンドが見事に融合しており、初めて聴く方に最もおすすめ。
この曲を聴けば、彼らが「ネオ・ニューミュージック」と呼ばれる理由が分かるはずです。
2. 『水色の夏』
2016年3月23日リリースの1stアルバム『ニューフォークロア』のオープニング曲。
ストリングス、ピアノ、ボーカルのみで構成された美しいバラードで、倉品翔の歌声の魅力を存分に味わえます。
延本文音さんの詩的な歌詞も秀逸で、夏の終わりの切なさが胸に染み入る名曲です。
3. 『ふたりのBGM feat. 土岐麻子』
2024年7月リリースのコラボ曲。
2024年11月13日リリースのメジャー1stアルバム『HEARTDUST』からの楽曲です。
土岐麻子さんの洗練されたボーカルと、倉品翔さんの甘い歌声が絡み合う、大人のラブソング。
AORサウンドの真髄を感じられる1曲で、ドライブやカフェのBGMにも最適です。
4. 『CITY ROMANCE』
こちらも2024年11月13日リリースのメジャー1stアルバム『HEARTDUST』からの楽曲です。
まさに都会の夜をイメージさせる「ネオ・ニューミュージック」を代表する1曲です。
倉品翔さんのクールで温かい歌声が杉山清貴さんを彷彿とさせます。
テンポの良いリズムとギターリフやソロが何とも言えない雰囲気を作り出しています。
80年代あたりが好きな私には、お気に入りの1曲です。
5. 『リ・メイク』
2025年7月リリースの最新曲。
佐橋佳幸プロデュースによる「もう一度恋に落ちる」をテーマにした大人のラブソング。
テレビドラマ「バツコイ」のエンディングテーマも担当するなど、活動の幅を広げている最新のGOOD BYE APRILを知ることができます。
まとめ|GOOD BYE APRILの時代を超える音楽の魅力
GOOD BYE APRILは、単なるレトロブームに乗ったバンドではありません。
メンバーそれぞれが確かな音楽性と個性を持ち、過去の名曲たちへのリスペクトを持ちながらも、現代の感性で「新しいスタンダード」を創造しています。
倉品翔さんのワン&オンリーなボーカル、吉田卓史さんの洗練されたギター、延本文音さんの絵画的な歌詞とベース、つのけんさんの安定したドラム。
この4人が織りなすハーモニーは、20代から50代まで、世代を超えて多くの人の心に響きます。
「最近の音楽はどれも似ていてつまらない」「懐かしい音楽が聴きたいけど、ただのレトロは物足りない」。
そんな風に感じている方こそ、GOOD BYE APRILの音楽に触れてみてください。
彼らの楽曲には、時代を超えて変わらない普遍的な美しさと、今を生きる私たちに寄り添う新しさが共存しています。
まずはメジャーデビュー曲「BRAND NEW MEMORY」から聴き始めて、彼らの世界に浸ってみてはいかがでしょうか。
きっと、あなたの音楽ライフに新しい彩りが加わるはずです。
最後までご覧いただきありがとうございます。
see you!
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