日本のR&B・ソウル・ファンクを語る上で欠かせない存在、久保田利伸。
彼のサウンドにはいつも確かなグルーヴと、声の持つ表情を楽器のように操る遊び心があります。
“トークボックス”という特殊な機材を使って生まれるその音色は、ライブでの名場面を彩るスパイスのようなもの。
この記事では、久保田利伸が実際にトークボックスを使用している代表的な楽曲と、その魅力、ライブでの楽しみ方まで詳しく解説します。
トークボックスとは?初心者にもわかりやすく解説
トークボックスは、キーボードやシンセサイザーの音をチューブを通して口に送り込み、人の口を“フィルター”として声のように変化させる機材です。
正式には「トーキング・モジュレーター」と言います。
エフェクターの一種で、ロボットボイスや機械的な歌声を出せるのが特徴。
ただし個人差がありますが、使いすぎると音の振動が口に入るので脳が揺らされ、気分を悪くすることもあるそうです。
トークボックスを使用したサウンドは、70年代のファンクや80年代のR&Bに欠かせないサウンドで、スティーヴィー・ワンダーやロジャー・トラウトマンらが有名です。
久保田利伸は若い頃からブラックミュージック、R&B,ソウルミュージックを聴いていたので、効果的な使い方やイメージがあったんでしょうね。
洋楽になりますが、ロジャー・トラウトマンが参加しているトークボックスを使った有名な楽曲といえば、ジョニー・ギルの「It’s Your Body」があります。
1996年リリースのアルバム「 Let’s Get the Mood Right 」の収録曲です。
ムードのあるブラックコンテンポラリーのバラードにトークボックスのロボ声効果を入れて、より都会的なテイストに仕上がっていると思います。
他には1995年12月にシングルとしてリリースされた2PACの「California Love」が有名ですね。
ちなみに2PACは1996年9月に亡くなっています。
これらの楽曲はSpotifyやYouTubeで聴けるので、気になった方は実際に聴いてみてください。
久保田利伸のトークボックスを使用した代表曲3選
久保田利伸のトークボックスを使用した代表曲①「TAWAWAヒットパレード」
1989年10月8日リリースの『the BADDEST』(オリコンチャート1位)に収録された「TAWAWAヒットパレード」は、聴いてすぐに踊り出したくなる陽気なナンバー。
パーティー感の強いこの楽曲で、トークボックスは華やかでユーモラスなサウンドの一部として使われています。
この曲はライブでも特に盛り上がる定番曲で、トークボックスの音に合わせてみんなでコール&レスポンスがあったりするかも知れませんね。
ユーモアと技術を兼ね備えた久保田利伸ならではの“お笑いセンス”が、ジャンルや世代を超えて多くの人を魅了しています。
久保田利伸のトークボックスを使用した代表曲②「Peaceful Sky」
2015年3月18日リリースの『L.O.K』(オリコンチャート3位)に収録された「Peaceful Sky」は、落ち着いたスローバラードで素朴な世界観をまとっています。
イントロからトークボックスによる電子的なコーラスが重なり、人間味あふれるボーカルと絶妙なコントラストを作り出し、一層寂しさを引き立てています。
久保田利伸の楽曲としては、都会感がなく珍しいスタイルの楽曲だと思います。
この異質感と先進性がファンのハートを掴みます。
日本語のリリックが持つ情感と、トークボックスによる無機質な音とのギャップが“共感”や“新しい発見”を生み出しているのが特徴的ですね。
久保田利伸のトークボックスを使用した代表曲③「まんまでGO」
2002年4月10日リリースの『United Flow』(オリコンチャート9位)に収録された「まんまでGO」は、ズンズンビートの楽曲で、徹底してポジティブなメッセージを歌い上げます。
歌いだしフレーズからトークボックスのロボ声で歌っていますね。
フレーズは、ストレートな歌詞と融合して“前向きな元気”を増幅します。
日常の悩みを吹き飛ばす明るさや、どこか“懐かしさ”も感じさせる曲調で、「落ち込んだ時につい再生してしまう」といった声も多いのではないでしょうか。
トークボックスの音色が、励ましや勇気の言葉としてリスナーの胸に響きますね。
久保田利伸ファンのリアルな反応は?トークボックスで生み出すサウンドの共感・驚き・ライブ体験
久保田利伸のトークボックス曲は、SNSやライブ会場で大きな話題となり、「あの機械音なのに温かく感じるのはなぜ?」「久保田さんの音楽は進化し続けていて飽きない」といった驚きや称賛の声が多く集まっています。
実際、2024年以降のライブでは「トークボックスで生み出すサウンドは唯一無二」「その場限りの即興演奏が忘れられない」といったコメントがSNSにも投稿されています。
ライブごとに毎回違う音のアプローチを試みる楽しさが、久保田の強い支持を支えている要素のひとつです。
トークボックスを使用した楽曲はたくさんあるわけではないですが、ライブであればアドリブやアレンジに使われる可能性が増えると思われるので、ライブに参加される人は特に注目してみても良いですね。
特に40〜50代のファンには、「昔から変わらないファンキーさ」と「磨きがかかったトークボックス技術」の両方が混ざり合うことでファンキーソウルを感じます。
若い世代からは「トークボックスが新しい音楽の入口になった」と、新旧の音楽ファンが自然と融合しているのも久保田ライブの強みとなっています。
海外アーティストと久保田利伸:影響と独自性の比較
トークボックスは、米国ファンクやR&Bでとりわけ有名です。
象徴的な存在がZappのロジャー・トラウトマン。
彼は、ヒップホップから現代R&Bまで幅広く影響を与えました。
Zappの「More Bounce To The Ounce」や、トークボックスで共演した2Pacの「California Love」は、その代表例です。
一方、久保田利伸の場合、トークボックスを“形だけの模倣”に終わらせず、自身の歌声や楽曲に溶け込ませることで、日本語の情緒や遊び心を自然に表現しています。
Zappやロジャーが追求した“ファンキーでエッジの効いたエンタテインメント性”を踏襲しつつ、日本独自の哀愁やリズム感を融合させているのが久保田流です。
ファンの間では、「海外のファンクやR&Bに遜色ない」「むしろ日本語でこんなにトークボックスがハマるのが新鮮」と好意的な評価が広がっています。
また久保田利伸自身も、ニューヨークやロサンゼルス滞在の経験から海外ブラックミュージックの現場を体感し続けており、そのリアルさがサウンドに表れていると思います。
久保田利伸が拓く“トークボックス日本流”の広がり
久保田利伸がトークボックスを積極的に用いるようになって以来、国内の若いR&Bアーティストやバンドでもこの機材に興味をもち、カバーやライブでの導入例が増えています。
ブラックミュージックのルーツを大切にしながら、日本語ポップスの枠も軽やかに飛び越える久保田利伸のあり方は、新世代アーティストにも影響を与え続けています。
「トークボックスは一部のマニア向け」だった時代を経て、ライブで観客と一体となって楽しむための一つのツールとなったと思います。
まとめ:久保田利伸の魅力を広げるトークボックスサウンドの未来
久保田利伸の「TAWAWAヒットパレード」「Peaceful Sky」「まんまでGO」といったトークボックス使用曲は、音楽的な“遊び心”と“表現の深さ”を同時に体感できる唯一無二の楽曲です。
その魅力は、実際にライブで生の演奏を聴くことで、さらに鮮明に実感できます。
海外アーティストからの影響を受けながらも独自の進化を遂げた久保田利伸は、トークボックスという“機械の声”を心に響く“人の声”に変換して、日本のポップスシーンを新しいフェーズへと導いています。
その挑戦的で未来的な音世界は、これからも多くのリスナーの心を揺らし続けるでしょう。
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