「ロックンロール」という言葉を聞いたとき、あなたはどんな音楽を思い浮かべますか?
激しいギターの音、思わず体が動き出すリズム、そしてステージを縦横無尽に駆け回るパフォーマー——そのすべての原点に、一人の男がいます。
その名は、チャック・ベリー。
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でマイケル・J・フォックスが情熱的に弾いていたあの曲「Johnny B. Goode」、実はチャック・ベリーの楽曲なんです。聴いたことがある方も多いのではないでしょうか。
ビートルズのジョン・レノンをして「ロックンロールに別名を与えるとすれば、それは『チャック・ベリー』だ」と言わしめた伝説のアーティスト。1986年に「ロックの殿堂」の第1号入りを果たし、ローリングストーン誌の「歴史上最も偉大な100組のアーティスト」では堂々の第5位に輝いています。
この記事では、そんなロックンロールの父・チャック・ベリーの魅力を、生い立ちから愛用ギター、伝説のパフォーマンスまで余すところなくご紹介します。「名前は知っているけど、実はよく知らない」という方にも、ぜひ読んでいただきたい内容です。ロックの扉を開くきっかけになればと思います。
チャック・ベリーってどんな人?まずは基本プロフィールから
本名はチャールズ・エドワード・アンダーソン・ベリー。1926年10月、アメリカ・ミズーリ州セントルイスで生まれました(カリフォルニア州サンノゼ生まれとする説もあります)。
1950〜70年代にかけて活躍し、「ロックンロール創始者の一人」「ロック界の伝説」「ロック最初期のギターヒーロー」など、数えきれないほどの称号を持つアーティストです。
その影響力は、同時代のアーティストにとどまりません。ビートルズ、ローリング・ストーンズ、エルヴィス・プレスリーといった錚々たるミュージシャンたちが、チャック・ベリーから多大な影響を受けたと公言しています。現代のロックやポップスを聴いているあなたも、気づかないうちにチャック・ベリーの音楽的遺伝子に触れているかもしれません。
受賞歴・評価一覧
| 受賞・評価 | 内容 |
|---|---|
| ロックの殿堂 | 1986年度・第1号入り |
| グラミー賞 | 1984年度 特別功労賞 |
| 最も偉大な100組のアーティスト(ローリングストーン誌) | 第5位 |
| 最も偉大な100人のギタリスト(ローリングストーン誌) | 第7位(2011年改訂版) |
| 最も偉大な100人のシンガー(ローリングストーン誌) | 第41位 |
こうして並べてみると、その偉大さが改めて伝わってきますよね。ギタリストとしても、シンガーとしても、アーティストとしても、あらゆる角度で高く評価されているのがチャック・ベリーという人物なのです。
ちなみに私は、「Johnny B. Goode」(ジョニーBグッド)の曲に憧れてギターを始めました。
あの有名な曲、実はチャック・ベリーだった!
チャック・ベリーの代表曲といえば、やはり「Johnny B. Goode」(ジョニーBグッド)です。
1985年公開の映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の後半、学校のパーティーシーンでマイケル・J・フォックス演じるマーティが熱狂的に演奏するシーンを覚えていますか?あの印象的な演奏こそが「Johnny B. Goode」です。映画を観たことがある方なら、きっとあのシーンが目に浮かぶのではないでしょうか。
曲のイントロが始まった瞬間、体が自然とリズムを刻みたくなる——そんな不思議な引力が、チャック・ベリーのギターリフにはあります。一度聴いたら頭から離れない、まさに「耳に残るロックンロール」の代名詞です。
「Johnny B. Goode」以外にも、「Roll Over Beethoven」「Rock and Roll Music」「Maybellene」など、今日のロックの礎となった名曲が数多くあります。どれも聴けば「あ、聴いたことある!」と思うはず。ぜひこの機会に、プレイリストに加えてみてくださいね。
チャック・ベリーが愛したギター「Gibson ES-335」の魅力
チャック・ベリーの音楽を語るうえで、愛用ギターは欠かせないトピックです。
キャリアを通じて最も長く手にしたのが、アメリカGibson社製の「ES-335」。キャリア初期には同じくGibson社の「ES-350T」を使用していましたが、その後ES-335へと移行し、以降はほぼこの一本とともに歩み続けました。
ES-335は「セミアコースティックギター」と呼ばれる種類のギターです。ボディの一部が空洞になっており、フルアコースティックギターのような温かみのあるサウンドと、エレキギターの歯切れの良いサウンドを併せ持っています。見た目はやや大ぶりですが、身長187cmという長身のチャック・ベリーが構えると、絶妙なバランスで様になるんですよね。
ちなみに、セミアコースティックと聞くと「アコースティックギター?」と思う方もいるかもしれませんが、れっきとしたエレキギターです。あのロックンロールサウンドは、しっかりアンプから出力されています。
ES-335は現在も生産されており、世界中のギタリストに愛されているモデルです。チャック・ベリーに憧れてギターを始めたい方にとっても、一度は手にしてみたい憧れの一本ではないでしょうか。
見たら忘れられない!伝説のパフォーマンス「ダックウォーク」
チャック・ベリーの魅力は、ギターの音色や楽曲だけにとどまりません。ステージでのパフォーマンスもまた、見る者の心に深く刻み込まれます。
なかでも有名なのが、「ダックウォーク」です。
膝と腰を深く曲げて低い体勢を作り、片足を前にスッと伸ばしながら、もう一方の軸足で小刻みに跳ねるように前進する——文字で説明するだけでは伝わりにくいのですが、実際に動画で見ると「なんてカッコいいんだ!」と思わず声が出てしまうはずです。
そして驚くべきは、このダックウォークをギターを弾きながら同時にやってしまうということ。しかも身長187cmという恵まれた体格から繰り出されるダックウォークは、すらりと伸びた長い脚が存在感を際立たせ、迫力満点です。
チャック・ベリーのギターフレーズは、多くの曲で共通したパターンが使われています。「どの曲も似たように聴こえる」と感じる方もいるかもしれません。でも実は、そのシンプルなフレーズこそが現代のロックギターの「基礎」になっているんです。チャック・ベリーが確立したギターフレーズは、その後の無数のギタリストたちに受け継がれ、発展していきました。つまり、ロックギターの「お手本」が、チャック・ベリーの音楽の中に詰まっているとも言えます。
最期まで現役だったチャック・ベリーの生涯
チャック・ベリーはどこまでもセントルイスの人でした。世界的なスターになった後も故郷を離れることなく、生涯その地で暮らし続けたのです。多くの大物アーティストがニューヨークやロサンゼルスへと拠点を移す中、これは非常に珍しいことです。故郷への深い愛情が伝わってきますよね。
そして何より胸を打つのが、88歳まで現役でライブを続けたという事実です。年齢を重ねても、ステージに立つことへの情熱を失わなかった——その姿勢からは、真のプロフェッショナルとしての矜持が感じられます。
2016年には、実に38年ぶりとなるアルバム『チャック』の発売を発表。ファンを大いに沸かせましたが、その翌年の2017年3月、90歳で静かにこの世を去りました。アルバムは遺作となり、日本では同年6月9日——「ロックの日」に合わせて『チャック~ロックンロールよ、永遠に。』の邦題でリリースされています。
日本ともゆかりのあったチャック・ベリー
実は、チャック・ベリーは日本にも来ています。1981年4月に初来日を果たし、東京・渋谷公会堂でコンサートを開催しました。その場に居合わせたファンの方々にとっては、一生の宝物のような体験だったことでしょう。
棺に納められた、船長帽とギター
2017年4月、セントルイスで執り行われた葬儀には、彼をよく知る多くの人々が集まりました。そして棺の中には、トレードマークの船長帽と愛用のGibsonギターが一緒に納められたと言われています。
生涯をともにした相棒のギターと一緒に旅立つ——そんなエピソードからも、チャック・ベリーにとって音楽がいかに特別なものだったかが伝わってきます。
現在、セントルイスの街にはチャック・ベリーの銅像が建立されています。まさに、街が誇る永遠のギターヒーローとして、今もそこに立ち続けているのです。
まとめ|チャック・ベリーの音楽は、今もあなたのそばにある
チャック・ベリーがいなければ、今日のロックミュージックはまったく違う形になっていたかもしれません。
誰もが一度は耳にしたことのあるギターリフ、会場全体を熱狂させるダックウォーク、そして88歳まで現役を貫いた音楽への愛——そのすべてが、ロックンロールという文化そのものを形作ってきました。
まだ「Johnny B. Goode」をじっくり聴いたことがないという方は、ぜひ今日聴いてみてください。きっと体が自然と動き出すはずです。そしてもし「ギターを弾いてみたいな」という気持ちが芽生えたなら、それはチャック・ベリーがあなたに手招きしているサインかもしれませんよ。
最後までご覧いただきありがとうございます。
see you!

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